発達障害のある子どもに合う学び方とは?特性に合わせた教育の選び方

メディア

はじめに

「うちの子には、どういう学び方が合っているのだろう?」
発達障害のある子どもを育てるご家庭が、進学や学びの場を選ぶとき、最も悩まれる問いではないでしょうか。

発達障害のある子どもたちは、それぞれが異なる特性や感覚の持ち主です。だからこそ、一律の教育の枠の中では「学びづらさ」や「生きづらさ」を感じることが少なくありません。

この記事では、発達障害のある子どもたちに合う学び方とはどんなものか、そして通信制中学校やオンライン学習、フリースクールなど、多様な選択肢の中から「その子に合う教育」を見つけるためのヒントをご紹介します。さらに、2025年に開校する通信制中学校「EuLa」の取り組みもご紹介します。

発達障害と学び方の多様性

発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)など、さまざまなタイプがあります。それぞれに特性があり、得意なことと苦手なことが異なります。

例えば…

  • ASDの子ども:視覚的な情報処理が得意な場合が多く、構造化された環境で安心して学べる
  • ADHDの子ども:短時間で切り替えのある学び方や、動きのあるアクティビティに集中しやすい
  • LDの子ども:読む・書く・計算するなどの基本的な技能に支援が必要で、デジタル教材との親和性が高いこともある

こうした特性に合った学び方を見つけるには、学校の「枠」に子どもを当てはめるのではなく、「その子に合う環境」を探すことが大切です。

通信制中学校という選択

最近注目を集めているのが、通信制中学という新しい学びの形です。登校を基本としないスタイルで、自宅やオンラインで学習を進めることができるため、「学校という空間自体が負担」な子どもにとって、非常に有効な選択肢になりえます。

通信制のメリットは以下の通りです。

  • 時間とペースを自分で調整できる
  • 人間関係のストレスが少ない
  • 好きな教科や興味のある分野を深められる
  • オンラインでのやりとりに強い子どもに向いている

とくに発達障害のある子どもたちにとって、自分のリズムで学べること、強みを活かせる環境が整っていることは非常に大きな意味を持ちます。

フリースクール・オンライン学習との違い

フリースクールやオンラインスクールもまた、発達障害のある子どもたちの受け皿として注目されています。

フリースクールは、子どもの意思を尊重し、自由なカリキュラムを提供する民間の学びの場。人との関わりを丁寧に育てながら、興味に合わせて学びを進められる点が魅力です。

一方、オンラインスクールは、ICTを活用して自宅学習が中心となる教育スタイル。時間や場所の制限が少なく、動画教材やリアルタイムの双方向授業など、さまざまなスタイルがあります。

通信制中学校は、フリースクールとオンラインスクールのハイブリッド的な存在とも言えます。
スクーリング制度のある学校もあるので人との関りも保ちながらバランスよく学習を続けていけるでしょう。

EuLa通信制中等部とは?

2025年4月に開校する「EuLa(ユウラ)通信制中等部」は、発達障害のある子どもたちやギフテッドの子どもたちの学びを支える新しい形の学校です。これまで明蓬館高等学校やアットマーク国際高等学校など、通信制高校で25年以上の実績を持つチームが立ち上げました。

EuLaの学びのスタイルには、次のような特徴があります。

1.個別最適化された学びの設計

EuLaでは、最初に「学習スタイル診断」を行い、その子の特性や得意・不得意を見える化します。それをもとに、担任の学習コーチが一人ひとりに合った学習計画を提案。苦手なところを補いながら、得意を伸ばす学びを支援します。

2.心理支援・発達支援体制

発達障害支援のスキルを持った教員・心理支援員・学習支援員の「三位一体チーム」が、学習面・生活面・メンタル面をトータルにサポートします。個別支援計画(IEP)を立て、月に1~2回の個人面談で、子ども自身の状態を見守り続けます。

3.オンライン×交流のハイブリッド学習

学習はメインでオンラインですが、メタバース空間を利用することで、人とつながる体験の機会も大切にしています。メタバース空間での活動や、自由に選べる特別講座があり、好奇心や探究心を育てます。またリアルの遠足や文化祭、特別イベントなども想定しており、メタバース空間だけに留まらない交流も視野に入れることができる学校です。

4.ソーシャルスキルの育成

学力だけでなく、自己理解・他者理解・コミュニケーション力を育むSST(ソーシャルスキルトレーニング)にも力を入れています。週ごとのふりかえりや、自分でスケジュールを立てる自己調整学習も取り入れ、「生きる力」を育てます。

「得意」を育てるマイプロジェクト学習

EuLaでは、「マイプロ(マイプロジェクト/マイプロデュース)」という探究型の学びも実践しています。子どもが自分の「好き」や「興味」から出発し、深めたいテーマを探究し、発表やアウトプットへとつなげていきます。

  • プログラミングを学んでゲームを作る
  • ペットの研究をまとめて発表する
  • 好きなアイドルについて記事を書く

など、テーマは自由。日本SEM協会の「おうちSEM」カリキュラムを活用し、自分自身の中から湧き出る好奇心に従って学びを広げていきます。

発達障害のある子どもにとって「合う教育」とは?

結局のところ、「発達障害のある子どもに合う教育」は、その子が、選べること、安心できること、伸びることがポイントです。一概に症例や診断名称から判断するのではなく、その子に寄り添い、個別最適化した学び場と教育を導き出すことが理想でしょう。

EuLaが掲げる「誰もが学びの天才」という言葉には、どんな子どもにも、自分らしく輝ける学び方があるという確信が込められています。

競争ではなく共創の学びが発達障害のある子ども達には必要です。
失敗してもいい。遠回りしてもいい。
その道の先には、きっと「自分だけの学び」が見つかるはずです。

おわりに

発達障害があるからこそ、「画一的な学び方」とは違う学び方が必要。
それぞれの特性に合った学びを選ぶことこそが、子どもの可能性を最大限に引き出す方法です。

オンライン学習や通信制中学校、フリースクールなど、多様な教育の選択肢が広がる今、EuLaのような場がその一歩となります。

「その子らしく、自信を持って学び、未来を描けるように」
そんな願いを持つすべてのご家庭へ。
まずは、お子さまに合った学び方を一緒に探すことから始めてみませんか?

矢印