【ゆうらリズム】書評『優れたリーダーはみな小心者である』

心を見透かされるような一冊
この本の凄さは、まるで心の中を見透かされているかのように、多くの部分で共感を覚えることです。
読者の心を揺さぶり、何度もうなづかされる瞬間があります。
世界規模で修羅場をくぐり抜けてきた著者が、ここまで簡潔かつ明瞭に本質を語れることに驚嘆させられます。
難しいことをシンプルに解き明かしてくれる、まさに名著といえる一冊です。
逃げ癖を持たない小心者がリーダーになる
本書は、困難に直面したときにどう向き合うかを問いかけます。
逃げたくなったとき、人のせいにするのではなく、自分の課題として正面から向き合うことが大切であると説いています。
(以下、本文抜粋)
「逃げ出したい」と思うような場面に遭遇したときがチャンスなのだ、と。
人間には防衛本能があるため、困難に直面したときに「逃げたい」と思うのは自然な反応。
しかし、他者や環境のせいにするのを踏みとどまり、自らの力で困難に立ち向かうことができれば、確実にリーダーシップへの一歩を踏み出すことができる。
若いうちに逃げ癖を克服せよ
本書では、困難に直面したときに逃げるか、まともに取り組むかが重要だと指摘しています。
どんなに情けない状況であっても、たとえ結果が最悪に終わっても気にする必要はない。
問われるのは「逃げたか、それとも向き合ったか」ただそれだけなのです。
また、このような経験は若いうちにしておくことが重要だとも述べられています。
何度も逃げることを繰り返してしまうと、リーダーシップの根幹が育つ機会を失ってしまいます。
「逃げ道」のない社長の職に就いてから、”逃げ癖”を矯正するのは不可能に近い。
まとめ
荒川詔四氏(ブリヂストン元CEO)の『優れたリーダーはみな小心者である』は、リーダーとしての本質を学ぶうえで、多くの示唆を与えてくれる一冊です。
逃げ癖を克服し、自らの力で困難に立ち向かうことが、真のリーダーへの第一歩となるのです。