新学期『もしかしたら』に揺れる春 ― 不登校の子ども達と学校への期待

コラム

春。新しいスタートの季節。

制服に袖を通す子どもたちの姿が街にあふれ、桜の花びらが舞うその光景はまぶしい。

しかし、それは、一部の保護者の方々には少し痛みを伴って映る。
「もしかしたら今年は…」と願いながらも、どこかで覚悟を決めようとする心の揺れを抱えているからかもしれません。

不登校気味の子どもを見守る日々。
「担任が変わったら…」
「校長が代わったから…」
「今度こそ行けるかも…」
そんな「もしかしたら」に心をすり減らしながら、新学期を迎える人たちが大勢います。

この記事は、その”揺れ”に寄り添いたくて綴ります。
そして、もしその先に、別の形の「学び」や「つながり」があってもいいと思えたときに、新しい選択肢のひとつとして「EuLa通信制中等部」の存在を思い出してもらえたら幸いです。そんな願いも込めて。

「きっと変わるかもしれない」と、今年もまた思ってしまう

新学期が近づくたび、胸の奥がざわざわとする。
それは、毎年味わってきた『希望』と『不安』が入り混じったあの感情。

新しい担任、新しいクラス、新しい友だち。
「今度こそ、うまくいくかもしれない」
「前より少し、行きやすくなるかもしれない」
「何かが変わってくれるかもしれない」

そんな願いがふと頭をよぎっては、過去の経験がすぐにそれを制する。
何度も裏切られてきたような気持ち、すっかり慣れてしまったあの諦めの感覚に変わっていく。

そんな苦しい想いを抱えていないでしょうか。

でも、だからといって、子どもを諦めたわけじゃない。
ただ、信じるたびに傷つく心を、少しでも守りたい。
そんな親の気持ちに共感する人は、きっと全国30万人以上の不登校児童の保護者を始め、子どもの不登校を経験した親の中にはたくさんいるはずです。

「何もしない」ことにも意味がある

周囲からは、いろいろな声が聞こえてくることでしょう。

「少し無理させたほうがいい」
「また引きこもるようになったら困るよ」
「甘やかしているんじゃない?」

そんな中で、無理に登校を促さず、不登校の選択を受け入れる方がよほど大変な選択かもしれません。

変わるきっかけは、外ではなく、その子の中から生まれるもの。
焦らずに、そのタイミングを待つことは、立派な「支援」のひとつです。

きっと、その子の一日一日は、一番近しい保護者がよくわかっています。
小さな前進も、落ち込みも、その背中の緊張も。
外から見えなくても、家の中では確かにその子は生きて成長している。

「学校」だけが学びの場所じゃない

学校という空間が、その子にとって安心できる場であるとは限りません。
教室に入ることすらストレスになる子もいれば、他者との関わりに苦手意識を抱いている子もいます。

そんなとき、「行かせる」ことに執着するのではなく、「どうすれば学べるか」に視点を移すことが、大きな助けになることがあります。

昨今、通信制中学校やオンライン学習、フリースクールなど、「学校」以外の学び方が広がりを見せています。

なかでも通信制中等部は、義務教育世代に向けた新しい形の学びの場として注目を集めています。

EuLa通信制中等部という居場所

2025年4月、そんな「別の学び方」を模索する子どもたちのために、「EuLa通信制中等部」が誕生します。

EuLaは、25年以上にわたって通信制高校を手がけてきたチームが、その経験を活かし、不登校や発達障害など、さまざまな理由で学校に行きづらさを抱える子どもたちに、新しい学びの場を提供します。

その特長は以下の通りです。

● 心理支援・発達支援があるから安心

EuLa通信制中等部では、担任だけでなく、心理支援員・発達支援員がチームで子どもを見守ります。
「学習の支援」だけでなく、「心のケア」にも力を入れているのが大きな特長です。

● 自分のペースで学べる

登校の有無に関わらず、すべての学びがオンラインで完結します。
無理に顔や声を出す必要もなく、チャットやリアクションでも参加できる。
「今日は見るだけ」「聞くだけ」でもOK。
そんな自由さが、子どもたちの背中をそっと押してくれるのです。

● “好き”を学びに変えるプロジェクト学習

EuLaでは、自分の「好き」や「興味」から出発するマイプロジェクト学習を推進。
例えば、電車が好きな子は路線図の研究を、音楽が好きな子は作曲や歌詞づくりを。
その子の中にある「夢中」を学びに変える仕組みがあります。

「まだ決められない」あなたへ

今、何かを「決める」必要はありません。
EuLaも「すぐに入学を」とは決して言いません。

ただ、「相談する」ことなら、今すぐできます。
子どもにとって、どんな学び方が合っているのか。
どんな環境なら、自分らしさを取り戻せるのか。
そのヒントを、一緒に探してみませんか?

説明会や個別相談では、入学以外の選択肢についても、丁寧にお話をしています。

終わりに ― 揺れる春に、寄り添える存在でありたい

「学校に行ってほしい」
「できればみんなと同じように過ごしてほしい」

そんな思いがあるのは当然です。
でも、だからこそ、「今のこの子が、安心して過ごせる場所はあるか」を、見つめ直してもいいのではないでしょうか。

この春も、たくさんの子どもたちが、それぞれの「もしかしたら」に揺れています。
その隣で揺れている人たちもまた、ひとりじゃない。

EuLa通信制中等部は、そうした揺れに寄り添い、静かに話を聴ける場でありたいと願っています。
いつでも、気軽にお話しにいらしてください。

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